お隣韓国でトコジラミ(南京虫)の被害が深刻だそうです。
刺されれば夜も眠れないくらいの痒みに襲われるというトコジラミ。薬剤に1000倍の耐性があるスーパートコジラミと呼ばれるタイプも出現しており、駆除に一苦労しそうな厄介者について解説していきます。
- トコジラミの生態
- トコジラミに刺されるとどうなる?
- トコジラミに刺されたらどうする?
- 薬剤を使った駆除方法
- 薬を使わないちょっと変わった駆除方法
- 海外旅行でのトコジラミ対策
トコジラミの生態
まずはどんな虫なのか、簡単にご紹介します
・成虫の体長約5~8㎜ほどで、肉眼で見つけられます
夜行性、昼間は狭い場所に潜んでおり、夜になると血を求めて動き出します
人もペットも節操なく吸血します
ノミの仲間っぽいですが、実はカメムシの仲間です(カメムシほど臭くありません)
彼らは部屋の以下のような場所に潜んでいます
寝具 | ベッド、布団の下 |
家具 | ソファー、タンスの中 |
電化製品 | テレビ、電気スタンド、コンセントなど特に発熱するもの |
壁・床 | 畳の目やフチの隙間、カーテンの折り目や縫い目、絨毯 |
その他 | 段ボール、本 |
トコジラミは一匹いても、もしそれが受精済みのメスならば1日に5~6個(一生の間に200~500個)の卵を産み続け、卵は1週間から10日で孵化しますので、あっという間にトコジラミ天国です。
トコジラミに刺されるとどうなる?
主に刺される場所は、顔や首や腕、手足など露出している部分で、刺された場所に赤や紫の発疹が出て、猛烈な痒みに襲われます。
Xにて、トコジラミに刺された方が画像を投稿されているのでご紹介します。
毒ではなくアレルギー反応という事ですので、痒みが出るまでの時間は数時間~3日ほどと個人差がありますが、おおむね48時間以内です。
ここで注意したいのが、初めてトコジラミに噛まれた場合、アレルギー反応が出ない事もあり、知らぬ間にトコジラミを付けたまま運び屋になってしまうという事態にもなり得るという事です。
トコジラミに噛まれたあとの痒みは相当なものらしく、夜も眠れないくらいという表現をする場合が多いですが、とても怖いことにその痒みが1~2週間続くそう。もっと怖いことに、刺されすぎると何も感じなくなる事があるそうです。あまりの辛さで脳が痒みのシグナルをシャットアウトするのでしょうか?
トコジラミに刺されたらどうする?
そんな痒みとは一刻も早くおさらばする為に、市販の抗ヒスタミン薬を塗るという対処が必要になります。
より強い効果のものを求めるならば、皮膚科に行き薬を処方してもらうのが確実だと思います。
そしてもしも家にトコジラミが発生してしまったら…
薬剤を使った駆除方法
自宅にトコジラミが発生してしまったら。
まず、1度の駆除で完全に全滅できるとは思わないこと。数回の駆除が必要になることを覚悟してください。
殺虫スプレーでの駆除が一般的ですので、以下の成分が入ったものを選んでください。
- ピレスロイド系
- 有機リン系
- カーバメート系
- オキサジアゾール系
一般家庭で使われる薬剤は主にピレスロイド系です。ただ、ピレスロイド系の殺虫剤を多用する欧米では、この成分に耐性がついてしまい、従来の1000倍も薬剤が効きにくいスーパートコジラミと呼ばれるものが出てきているとの事。
現在海外で大発生しているトコジラミの大部分が、この薬剤耐性があるスーパートコジラミであることを考えると、成分表を見てピレスロイド系以外の殺虫成分も入ったものを選びましょう。
薬を使わない駆除方法
家に小さな子どもやペットがいる場合、なるべくなら薬剤に頼りたくないという方もいらっしゃるでしょう。
殺虫剤以外のトコジラミの弱点、それは熱と光です。
79℃以上の温度で5分以上熱すれば死滅するので、布団など布製品は真夏であれば天日干しでも死滅は可能でしょう。他にも高温スチーム機を使う、コインランドリーの高温乾燥を使うなどの方法もあります。
ですが、ここではちょっと変わった方法をご紹介します。
またまたX(旧Twitter)より
なんとインゲンの葉を部屋に撒くというもの。
インゲン豆の葉にはごくごく小さなトゲトゲがあり、このフック状のトゲが、トコジラミの脚に刺さり動けなくするというもの。あとは、トコジラミが付いたインゲンの葉を燃やすだけで駆除完了です。
薬剤も使わず、人にもペットにも環境にも優しいこの方法。ただ、トコジラミの繁殖具合によっては、膨大な量のインゲンの葉が必要になりそうですし、産み付けられた卵の駆除までは出来ません。よってかなりの時間も必要としますので、あまり現実的ではないのかも。
以上、駆除方法をお伝えしましたが、自力での駆除が困難なほどに繁殖してしまっている場合は、害虫駆除業者に依頼するのが確実です。
海外旅行でのトコジラミ対策
お隣の韓国を始め、フランスなどでも大発生しているトコジラミ。
旅行や出張で海外へ行った際、刺されない為に、日本へ持ち帰らない為に、宿泊施設で気を付けるべき点をご紹介します。
- 荷物はベッドや床に直置きせず、バスタブなどツルツルした所に置く(大きなビニール袋で荷物を包むのも効果的)
- 部屋の四角、壁に密着したベッドや家具の隙間をチェック(和室の場合は畳の目や隙間)
- カーテンの縫い目やベッドカバーを剥がして折り返しやマットレスをチェックするとなお良し
- 光を嫌う性質があるため、心配ならば電気を付けたまま就寝
- 帰りの荷造りの際も、しっかり目視で付着していないかチェック
帰国後は、速やかに衣類を洗濯、できれば高温乾燥する事も忘れずに。ホテルで遭遇せずとも、帰りの交通機関の座席でくっついて来ることもあるので、自宅に持ち込まない事が非常に大切です。
以上、トコジラミについて解説しました。日本では戦後大流行したものの1970年代以降は減少し、ほぼ話題に上る事が無かったトコジラミ(南京虫)ですが、昔より薬剤耐性が上がり厄介にパワーアップしているため、注意が必要ですね。
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