漫画家「セクシー田中さん」作者の芦原妃名子(あしはらひなこ)さんが死去 ドラマ化をめぐって一体何があったのか?

日本テレビで2023年10月~12月に放送されたドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子(あしはらひなこ)さんが1月29日にお亡くなりになりました。

芦原妃名子先生の死の直前に起こった、ドラマ脚本をめぐる騒動について解説します。

目次

セクシー田中さんとは

セクシー田中さん 芦原妃名子/小学館

小学館【姉系プチコミック】2017年9月号から連載中。

昼は経理部の地味なOL。夜はセクシーなベリーダンサーという2つの顔を持つアラフォーの田中さんと、ひょんな事からダンサー田中さんのファンになった23歳派遣OLの倉橋朱里を中心に、田中さんと関わり合う人々を描いた物語です。

2023年8月時点でコミックスの累計発行部数は100万部を突破しています。

ドラマをめぐって一体何があったのか?

時系列に沿って解説します。

ドラマ最終回の日に脚本家がインスタグラム投稿(現在は非公開)

相沢友子インスタグラム

2023年12月24日と28日の2回に渡り投稿された脚本家の言い分としては、「原作者たっての要望で9話と10話の脚本を原作者が執筆した」「経験したことのない事態で困惑」「苦い経験」「今後同じことが二度と繰り返されませんように」など、通常の流れではなかったというニュアンスが感じられる内容です。(現在アカウントは非公開となっており、投稿内容は閲覧できなくなっています。)

1月26日芦原妃名子さんがブログとXで経緯を説明(現在は削除)

芦原妃名子さんブログ(現在はブログごと削除)
※原文に赤線はありません

要約すると

  • 芦原さんは、ドラマ終了まで脚本家と会えず、監督・演出家などのドラマ製作者と直接話し合う機会も無かった
  • ドラマ化にあたって、以下の条件を出した
  • 条件①「必ず漫画に忠実に」忠実でない場合は加筆修正させていただく
  • 条件②未完の漫画であり、まだラストを定めていないので、ドラマが原作漫画に影響を与えないよう、ドラマの終盤は「あらすじからセリフまで原作者が用意する」
  • 以上、大変失礼な条件というのは自覚した上で、本当に良いか小学館を通じて何度も日本テレビに確認を取った
  • ところが実際は毎回原作の展開やキャラクターの改変、作品の核として大切に描いたシーンのカット等々、条件が守られない脚本になっており、納得のいく説明も受けられなかった
  • 1~7話に関してはなんとか粘り強く交渉し脚本を加筆修正し、原作に沿った展開になったが、ドラマオリジナルの8~10話に関しては準備したあらすじとセリフが大幅な改変、間違った解釈がされており、ドラマ制作側と小学館側で何度もプロットや脚本の差し戻しが行われた
  • 当初の条件にのっとって、9話と10話に関しては、原作者が用意したものをそのまま脚本にできる方に交代して欲しいとの要望を出した
  • 結果として9話・10話は芦原さん自身が脚本を務める事になったが、脚本家ではない人間が見よう見まねで執筆した事と、漫画の締め切りも重なった事もあり、満足のいく脚本とはならなかった

1月27日滝沢ガレソさんが騒動まとめを投稿・拡散

https://twitter.com/takigare3/status/1751000326499631530
滝沢ガレソX

1月28日に芦原さんが経緯を綴った投稿を削除し行方不明に→29日に死亡を確認

芦原さんは1月28日に経緯を説明したXの投稿とブログを削除

芦原さんのX(旧Twitter)の最後の投稿

芦原妃名子さんX

1月28日から行方不明だった芦原さんが発見されたのは、栃木県日光市の川治ダムで、現場の状況から自ら命を絶ったと見られるとの事でした。

日本テレビのコメント

芦原さんの訃報を受けて、ドラマ公式サイトに掲載された日本テレビのコメントは以下です。


 「芦原妃名子さんの訃報に接し、哀悼の意を表するとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。2023年10月期の日曜ドラマ『セクシー田中さん』につきまして日本テレビは映像化の提案に際し、原作代理人である小学館を通じて原作者である芦原さんのご意見をいただきながら脚本制作作業の話し合いを重ね、最終的に許諾をいただけた脚本を決定原稿とし、放送しております。本作品の制作にご尽力いただいた芦原さんには感謝しております」

日本テレビ セクシー田中さん公式サイト

芦原さんが説明している原作改変についての言及はなされていませんね。

まとめ

以上、セクシー田中さんドラマ化をめぐってのトラブルを解説しました。

結果としては最悪な結末と言わざるをえません。

原作者にとって、作品というものはそれこそ自分の分身以上の存在だと思うので、原作者の意向はアニメ化や実写化の時には何よりも尊重されるべきだと個人的には思います。

芦原妃名子先生のご冥福を心よりお祈りいたします。

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